腰椎椎間板ヘルニア、腰痛、坐骨神経痛などで、朝起きる時に腰が痛くなることがあります。
■朝、腰の痛みで目が覚める
■腰が痛くて起き上がれない
■痛くて体の向きを変えられない
■腰の痛みで立ち上がれない
■立ち上がる時腰が伸びない
なんとか起き上がって身体を動かしていると良くなってくることも多いのですが、毎日のように続くこのような症状は本当につらいですよね。
今回は、筆者の腰痛トレーニング研究所(https://www.re-studio.jp/)でおすすめしている、朝起きる時の腰の痛みを改善する方法をご紹介します。
朝起きる時の痛みの原因は腰やお尻の筋緊張
朝起きる時の腰の痛みの原因は、腰やお尻の筋緊張です。筋緊張というのは、筋肉がこり固まってしまった状態のこと。
筋肉は長時間同じ姿勢でいると、こり固まってしまうという弱点があります。
寝ている間は、楽な姿勢で横になり、適度に寝返りなどもしていると思いますが、それでも長い時間同じような姿勢でいることになります。
そうすると、身体のあちこちの筋肉がこり固まって痛みを起こすことがあります。
この典型的な症状が、いわゆる『寝違い』です。
変な姿勢で寝たり、いつもと違うまくらや布団で寝たりすると、首や肩、背中の筋肉が硬直し、朝起きると痛くて動かせないということになるわけです。
『寝違い』ならせいぜい数日で良くなりますが、慢性的な腰痛の方は、腰やお尻などの筋肉がこり固まりやすい=筋緊張を起こしやすくなっているため、毎日のように寝ている間に腰やお尻の筋肉が固まってしまいます。
そのために朝起きると痛みがおこるのです。
このような痛みをおこす筋緊張をトリガーポイントといいます。トリガーポイントについて、くわしくは先日の記事にまとめましたので、以下のページをご覧ください。
腰痛や坐骨神経痛の原因にもなる「トリガーポイント」とは?【川口陽海の腰痛改善教室 第103回】(https://serai.jp/health/1104848)
朝起きる時に痛みを起こしやすい筋肉
朝起きる時に痛みを起こしやすい筋肉はいくつかあります。
それは次のような筋肉です。
脊柱起立筋は背骨の両側にあり、腰から首までつながっている筋肉です。文字通り背骨を起立させて支えたり、身体を反らせる時などに働きます。
脊柱起立筋が緊張すると、上の図の赤い部分のように、腰からお尻にかけての痛みを起こします。
腰方形筋は、腰に手を当てた時に親指が当たるあたりにあり、肋骨と背骨(腰椎)と骨盤をつなぐ筋肉です。
腰が疲れた時や痛む時などに、自然と指で押したり揉んだりする部分の筋肉なのですが、この筋肉は骨盤や腰、背骨を支えたり、身体を左右に曲げる時などに働きます。
腰方形筋が緊張すると、上の図の赤い範囲のように、腰からお尻にかけての痛みを起こします。
中殿筋は、骨盤と大腿骨をつなぐ筋肉です。骨盤や股関節を支えたり、股関節を動かしたりする役割があります。
中殿筋が緊張すると、上の図の赤い範囲のように腰の真ん中あたりからお尻にかけての痛みを起こします。
また、腰や骨盤のまわりには他にもたくさんの筋肉があり、それぞれ痛みの原因となる場合があります。
朝起きる時の痛みをやわらげる睡眠姿勢
睡眠時の姿勢に気を付けると、朝起きる時の腰の痛みがやわらぐことがあります。
どんな姿勢が良いのか?
それはできるだけ腰を丸める姿勢です。横向きに寝て、猫のように腰を丸められると良いでしょう。
腰を丸めると、前項で説明した、痛みの原因になりやすい筋肉が軽くストレッチされます。
そのため筋緊張をおこしにくくなり、朝の痛みがやわらぐのです。
とはいえ、寝ている時の姿勢を制御するのは、なにしろ寝ているのですから、なかなか難しいかもしれません。
下の図のように、抱き枕などを使うのも一つの方法です。
これらの図のように腰を丸めて寝るのが理想的です。
テニスボールを使って朝起きる時の腰の痛みをやわらげる
夜寝る前に、テニスボールを使って腰やお尻の筋肉をほぐすと、朝起きる時の腰の痛みをやわらげることができます。
硬球のテニスボールやマッサージ用のボールなどをご用意ください。
テニスボールで狙う場所は、主に次の3か所です。
(1)背骨のすぐ横 【脊柱起立筋】
(2)肋骨と骨盤の間((1)のやや外側) 【腰方形筋】
(3) お尻の上半分(骨盤の骨の下) 【中殿筋】
まずはこれらの部位をなんとなくイメージして頭に入れておきましょう。
テニスボールの当て方
それでは実際にボールを当ててマッサージしてみましょう。
ボールの当て方には少しコツがあります。
腰のあたりにボールを当てようとすると、つい腰を持ち上げて上から乗っかってしまうかもしれませんが、この方法だといきなり強い刺激がかかりますので、あまりおすすめできません。
下の図のように身体を傾けるようにして、ゆっくりとボールに体重を乗せるようにしましょう。
自宅で出来る!腰痛トレーニングより(https://www.re-studio.jp/dvd.html)
そして息を吐いて身体の力を抜いていきます。とくにボールが当たるところの力をうまく抜くようにしてください。
多少痛みがあったりすると、つい当てている部分に力が入ってしまうと思いますが、そうすると筋肉が固まってうまくほぐれません。
あえて力を抜くようにすることで、奥の方までほぐすことができます。
痛みがある時にグリグリと転がすように刺激すると逆に痛みが増したりしますので、やらないようにしてください。
ポイントの探し方
ではどのあたりにボールを当てたら良いでしょうか?
これは人によってポイントが変わってきますが、次のようにおこなうと効くポイントが見つけやすいでしょう。
狙う場所で説明した(1)(2)(3)の部分の中から、まずは一番痛みが気になる箇所や、自分で押したり揉んだりしたくなるあたり、マッサージしてほしいと思う箇所にボールを当ててみましょう。
うまくポイントに当たると、『痛気持ちいい』『ジーンと効く感じ』『ツボを押されている感覚』などがあります。
このような感覚を感じるところを探しながら、1cmずつくらいボールを動かしていきます。
(1)脊柱起立筋や(2)腰方形筋の場合、筋肉に沿って縦方向に少しずつずらしながらポイントを探しましょう。
(3)中殿筋の場合は、骨盤の骨のきわやその下あたりを少しずつずらしながらポイントを探してみましょう。
ちょっとした位置やボールを当てる角度により、効く感じが変わると思いますので、「どのへんが効くかな?」とボールを当てながら探してみてください。
ボールを当てる時間
テニスボールを当ててほぐすのは、どのくらいの時間が適しているのでしょうか?
筆者の腰痛トレーニング研究所(https://www.re-studio.jp/index.html)で指導する時は、
◎1ヶ所10~20秒程度
◎全体でも5~15分程度
くらいから始めることをお勧めしています。
あまり長い時間おこなうと、その後で、または翌日などにかえって痛みが増したりしますので、はじめは短時間でおこなって様子をみてください。
短時間おこなって大丈夫なようでしたら、少しずつ時間を伸ばしてみましょう。
痛みが残ったり、あとで痛みが増したりするようなら、刺激のしかたが強すぎるか時間が長すぎますので加減してください。
ボールを当てた時の感覚
ボールを当てている時やその後に、
◎『痛気持ちいい』『ジーンと効く感じ』『ツボを押されている感覚』などがある
◎当てた後に、そのあたりが『軽くなる感じ』『すっきりする感じ』『ホカホカする感じ』『じわっと血が巡る感じ』など良い感じがある
このような感覚があれば効果があります。
逆に
◆ほぐしている時に『すごく痛い』『嫌な感じや不快感』などがある
◆ほぐした後に痛みが残ったり、痛みが増したりする
このような場合は、うまくできていないか、またはテニスボールでほぐすのは適していないと思われますので、やめておきましょう。
この記事があなたの痛みを改善する一助になりましたら幸いです。
今回の記事は、朝起きる時の腰の痛みの原因と改善方法【川口陽海の腰痛改善教室 第107回】(https://serai.jp/health/1113964)
より引用させていただきました。
文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
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